初めて
これを見たのは、hi-takuyaさんのブログを見たときだ。
自身の公式HPでここまでして読者やファンの声を聞く選手がいるとは、思ってもいなかった。
本人も悩んでいるのはわかる。セリエAの舞台に移籍はしたものの、デビュー戦こそはシュートをポストに当てるなど上々のスタートだったが、次第にコンスタントに試合に出ることはなく、サンプドリアに残留するのも危ういという状況だ。
オマーン戦やシンガポール戦では、フォワードとして不甲斐ない結果に終わっている。ゴール近くでボールを受けても、強引に突破しようとしないプレーや、すぐに見方にパスをするプレーが印象的だ。
このプレーを見た多くの人は、「もっとシュートしろ、ゴールを狙え」と思っただろう。ブログでも多く見かけたし、私も「フォワードなんだから!もっとゴールを狙って…」と思った。
言うまでもないかもしれないが、それは本人が一番分かっていることだろう。なにをかくそう、FW柳沢敦はこれまでFWとして多くの成績を残している。Jリーグのゴール数は71で13位にランクしている。イタリアにいかずに、まだJリーグでプレーしていたら、もっと上位にいるはずだ。
ここまで考えると柳沢敦はサンプドリアでは活躍できないといえる。サンプドリアがダメでも、来季セリエAに上がってくるチームが狙っているという情報もあるが、それで移籍しても結果はあまり変わらないだろう。
ここまで言う根拠は柳沢の性格と周りの選手に関係がある。文頭でも紹介したとおり、柳沢という選手は「最終的にはチームと僕が決めること」と前置きをしたうえで、今後自分が歩むべき道をファンに聞いている。とても周りの意見を大事にする性格。それはプレーにも表れている。以前、ある雑誌で「自分が絶対ゴールを決めようとは思わない。チームとして点が取れれば…」。周りを生かすプレーを常に心がけている。
周りの選手というのは、常に優秀なプレーヤーがいたことを指す。これは柳沢にFWとしての力がないというわけではないが、ジュビロ磐田と並びJリーグ2強時代といわれた鹿島で過ごし、そして多くのゴールを挙げた裏側には数多くの周りの支えがあった。ビスマルクをはじめ、鹿島の黄金期をすばらしい司令塔と一緒に過ごすことで、数々の栄光を掴んだが、それがいま、跳ね返ってきているのではないか。
サンプドリアは鹿島アントラーズとは違い、リーグの下位に位置するクラブ。リーグのレベルではなく、柳沢は周りの選手が良くて生きるタイプなのではないか。泥臭いプレーや強引な柳沢をまったく見たことないわけではないが、
今まで過ごしてきた環境がいまになって影響しているとも言えないか。
柳沢がFWとして多くの活躍を残すには、鹿島にもどるかタレントが豊富でいいパスがどんどんくるレアルマドリードなどの超ビッグクラブに移籍するしかないといっても言い過ぎではないと思う。
自分に足りないものを見つけにイタリアに渡ったのか、日本のときと同じような輝きを放ちたかったのか、自分のレベルが欧州で通用するか確かめたかったのか…。欧州を渡る決断をした理由は分からないが、FWとして成長するのは、日本でもできるのではないか。鹿島にい続けてもいいだろう、日本の他のクラブに移籍するのもいいだろうし、なにも欧州に行ったからといって必ずパワーアップできるとは限らない。
自分の性格、特徴、歩んできた歴史を把握した上でクラブチームを選んでもいいのではないか。01年11月7日のイタリア戦で見せた右足ダイレクトシュートのイメージが私には強烈に残っている。鹿島で自信をつけていたころの柳沢がそこには、いた。
常に試合に出ること。
エメルソンのようなタイプではないFW柳沢には周りとの連携はなにより重要。
この2点を重視するなら、日本でいいのではないか。ヤナギにそう、メールを送ろうか。
「柳沢今季限り」地元紙報じる (日刊スポーツ)
柳沢 セリエA再レンタルも (スポーツニッポン)